今回は、新しく発売された、「金のセンテンス」って単語帳、どうなの?って話をしていきたいと思います。
TOEIC単語帳でもっとも有名な「金のフレーズ」の著者、TEX加藤さんが新しい単語帳を出しました。
その名も「金のセンテンス」。
キャッチコピーは「金フレのひとつ上へ。」とのことですが、果たして効果はあるのでしょうか?
一か月間実際に使ってみたので、金のフレーズの良い点も悪い点も、徹底的にレビューしていきます。
金のセンテンスってどんな教材?
まずは、どんな金のセンテンスが単語帳なのかを紹介します。
金のセンテンスの構成と収録単語について詳しく見ていきます。
金のセンテンスの構成
一番の特徴は、覚えるべき単語がセンテンス(文)の中に入っているというところです。
↓こんな感じ

著作権の関係で実際の本文は載せられないので、本の最初のレイアウト紹介を載せておきます。あえてちょっとぼかします。(このくらいならいいよね朝日新聞出版さん…?)
英文があって、その英文に入っているTOEIC頻出単語の解説が続いています。
このような、英文を中心に単語や熟語を覚えていくような単語帳は、大学受験用の単語帳(DUO3.0とか)にはたくさんありましたが、TOEIC対策ではあまりありませんでした。

もちろん音声もついてます。
単語の勉強法などは↓の記事を参考にしてみてください。

金のセンテンスの収録単語
金のセンテンスの収録単語は1500語です。過不足のない必要十分なボリュームだと言えます。
単語の難易度はTOEIC600点~のレベルといった感想です。
すごく難しい単語は出てきませんが、簡単な単語は知っている前提です。
金のフレーズを知っている人にわかりやすく説明すると、収録単語は、「金フレ+α」です。金のフレーズの1000語を含む1500語を凝縮しているとのことです。
とはいっても、金のフレーズより難しい単語がたくさん収録されているというわけではないです。同じ難易度レベル帯の英単語のボリュームが増えたといった感じです。
なので、ほとんどの単語が金のフレーズと重複しています。
ではそんな金のセンテンスの良い点も悪い点も、洗いざらい解説していこうと思います。
金のセンテンスのレビュー
金のセンテンスのレビューを、先に結論からざっくりというとこんな感じです。
中級者~上級者で金のフレーズをやったことがある人はやるべきだが、初心者には絶対におすすめしない
その理由を説明していきます。
まず、金のセンテンスの良しあしを判断するには、短文(センテンス)形式で単語を学んでいくことの意味を考えなくてはいけません。
短文(センテンス)形式で単語を学ぶことの意味とは?
センテンス形式で単語を学んでいくのはなぜでしょうか。
それはもちろん覚えやすいからなのですが、なぜセンテンス形式で単語を学ぶと覚えやすいのでしょうか?
それは、
- 単語はストーリーのなかで覚えると記憶に残りやすい
- 文を丸ごと覚えることによって、複数の単語を一気に覚えることができて効率が良い
からです。
なんの脈絡のないことを覚えることは大変です。
人間はあるものを記憶しようとするとき、脈略のなかで覚えようとします。
地味で目立たない、あまり話したこともない、特になんも印象のない人の名前ってなかなか覚えられないし、すぐに忘れてしまいます。
でも、良くも悪くも目立つ人、話したことがある人、印象の強いひとの名前ってなかなか忘れません。
これは人間が何かを覚える時に、コンテクスト(脈略)を使って覚えているからです。
つまり、センテンス形式で単語を覚えるという事は、センテンスというコンテクスト(脈略)の中に単語を組み込むことで、覚えやすくしようという試みです。
横文字ばっかりでわかりにくくなってしまいましたが、文の中に単語を含めることで、文のストーリーを利用して単語を覚えることができるようになる、という事です。
※ちなみに覚える時はシャドーイングがおすすめです。

金のセンテンスのメリットとデメリット
これだけ聞くと、文のなかで単語を覚えることはメリットしかないように思えますが、実は逆のことも言えます。
覚えたい単語の周囲の単語がわからなかったら意味がないのです。
文というストーリーの中で単語を覚えるのが効果があるのだとしても、そのストーリーが理解できないならば、なんも意味がありません。
英文の中に重要単語が入っていたとしても、その英文を丸ごと理解できないならば、コンテクストの中で単語を覚えるというメリットが全く享受できないだけでなく、丸暗記をするしかなくなってしまうために、遠回りになってしまいます。
残念ながら、金のセンテンスに収録されている英文は、そこまで簡単なものではありません。
ですから、英語初心者が金のセンテンスから取り組んでしまうと、効率が悪くなってしまいます。
具体的な目安スコアは600点です。TOEICで600点を取るのがちょっと難しいレベルの人には、この金のセンテンスは絶対におすすめしません。

しかし、600点を超えるレベル、金のフレーズを使って勉強していたことがある人にとって、文脈の中で単語を覚えられる、より定着させられる金のセンテンスは最高の単語帳だと思います。
英語初心者はなにをすればいいのかっていうと、TOEIC対策で英語初心者に適したのは銀のフレーズがおすすめです。
初心者がTOEICのために学ぶべき単語が、無駄なく効率よくおぼえられるので、書店で買ってみてください。アマゾンでも売ってます。
金のセンテンスを一か月使ってみた変化
先に謝っておきます。私はここ最近日曜日に仕事をしているので、金のセンテンスを使ってどのくらいスコアが伸びるのか、という検証はできませんでした。
ですので、これは私の体感になります。
私の金のセンテンスを使った時点でのTOEIC最高スコアは815点で、この時点で金のフレーズをそこそこやりこんでいました。

まず、単語を意味と結び付けるのが圧倒的に早くなりました。
金のフレーズで一回やった単語が多いからでしょうか。
知っている単語を違う角度からもう一度覚えなおすことになったため、単語の字面や音と意味の結びつきがより強固になりました。
それによって、リスニングやリーディングを読むのが圧倒的に早くなり、意味を理解する精度と速度が向上しました。
もともと語彙力にはそこまで不安はなかったのですが、単語と意味の結びつきが強固になり、タイムロスなく英語を理解できるようになった気がします。
追記!点数が伸びました!
2020年1月に865点を取りました!
点数が伸びたのは、金のセンテンスで単語をより精度高く、速く理解できるようになったことが要因一つだと思います。
今回は、金のセンテンスのレビューをしてみました。
あまり実証的な教材研究はできませんでしたが、金のセンテンスが中級者以上にとっては有用な教材であることは間違いないです。
点数が伸び悩んでいる人にはいいブレイクスルーになると思うので、書店などで実際に見て買ってみることをおすすめします!